4月9日は大仏様の日。知っておきたい「お墓開き」の本当の意味とは?

本日4月9日が何の日か、皆さまはご存知でしょうか?
実は、今から1200年以上前の752年(天平勝宝4年)4月9日、奈良の東大寺で「大仏様の開眼供養(かいげんくよう・かいがんくよう)」が行われた日なのです。
巨大な大仏様に魂が吹き込まれた、歴史的な一日。
実はこの「開眼」という言葉、私たちにとって身近な「お墓づくり」とも非常に深く関わっているのをご存知ですか?
少し私の想像が入ってしまいますが、今回は大仏様が完成した日にちなんで、知っておきたい「お墓の開眼」の本当の意味についてお話ししたいと思います。

「開眼」=「魂入れ」?お墓にまつわる豆知識

新しくお墓を建てた際に行う儀式を、一般的には「お墓開き」や「魂入れ」「お性根入れ」などと呼びます。耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この儀式、正式な仏教用語では「開眼供養」と言います。
文字通り「眼(め)を開く」と書きますが、これは単なる儀式の名前というだけでなく、とても大切な意味が込められています。

奈良の東大寺の大仏様が完成した時に、大仏様の目に筆を入れるという最も重要な役割(導師)を務めたのは、菩提僊那(ぼだいせんな)というインド出身の僧侶でした。

  • なぜインドの僧侶? 仏教発祥の地であるインドの僧侶にお願いすることで、本格的で威厳のある儀式にするためです。彼ははるばる海を渡って日本へやってきた、当時非常に位の高いお坊さんでした。
  • その他の参加者: 大仏造立を発願した聖武太上天皇(元・聖武天皇)や孝謙天皇をはじめ、日本全国、さらに唐(中国)やインドなどから約1万人もの僧侶が集結する、超国家的な国際ビッグイベントと言われています。

何が行われたのか?(儀式の内容)

単にお経を読むだけでなく、「大仏様の瞳を描き入れる」という物理的な儀式が行われ、多くの人々が喜んだとされています。そしてその際に、

  • 巨大な筆と「繋がる糸」のドラマ: 大仏様は巨大なので、菩提僊那は足場に登り、大きな筆を使って黒目を描き入れました。 実はこの時、筆には「開眼の緒(かいげんのお)」と呼ばれる長〜い糸(または紐)が結びつけられていました。
  • 参列者全員で魂を入れた: その長大な糸は地上へと伸ばされ、聖武太上天皇や参列者たちがその糸を握りしめました。つまり、「糸を通じて、みんなで一緒に筆を持ち、大仏様に魂を入れた(ご縁を結んだ)」のです。

ただの石が「祈りの対象」に変わる瞬間

新しく建てられたばかりのお墓は、どんなに立派であっても、その時点ではまだ「美しい石の造形物」に過ぎません。
そこに僧侶を招いてお経を上げていただき、完成していただく(眼を開く)ことで、ただの石だったものが初めて「祈りの対象」へと変わります。
これが開眼供養の本来の役割です。

現在でも、西日本ではお墓が完成した時にお墓の名前や名号が書かれている棹石にサラシを巻き、家族の皆さんで除幕をしていただくのですが、これもお坊さんだけでなく「皆さんで協力して完成させた」という、奈良の大仏様と同じことが行われてると言えます。

お墓は単なる納骨場所ではなく「仏様そのもの」

ここでぜひ知っていただきたい、最も大切なことがあります。
それは、開眼供養を終えたお墓は、単なる「お骨を納める箱」ではなく、「仏様そのもの」になるということです。
お墓は、そこに眠るご先祖様であると同時に、私たちを見守ってくださる阿弥陀様やお釈迦様、大日如来という仏様の象徴でもあります。
ですから、お墓参りは「お墓という場所へ掃除に行く」だけでなく、「仏様に会いに行く」「仏様に手を合わせに行く」という気持ちで行うのが本来の姿なのではないでしょうか。
お墓の墓石を丁寧に水で洗い、タオルで綺麗に磨くことは、「仏様のお体を綺麗に拭き清めること」と同じ意味を持ちます。そう思うと、普段のお墓掃除も少し背筋が伸びて、より温かい気持ちで向き合えるような気がしませんか?

祈りの原点に思いを馳せて

1200年以上前の今日、当時の人々が平穏な世を願って大仏様に目を入れたように。
私たちも、お墓の開眼供養を通してご先祖様を仏様として迎え入れ、命の繋がりに感謝を捧げています。
奈良の大仏様を見上げる時の、あの神聖で厳かな気持ち。
実は、私たちがご先祖様のお墓に手を合わせる時も、それと同じくらい尊い行為をしているのです。そして実際に眼を開くのは仏様ではなく、私たちなのかもしれません。


4月9日の大仏様の日。
次に皆様がお墓参りに行かれる際は、ぜひ「お墓は仏様そのもの」ということを思い出しながら、ゆっくりと手を合わせてみてくださいね。

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