墓参りで迷いやすい作法と、お墓の形ごとの考え方

お墓参りは、ご先祖さまや大切な方を偲ぶ時間です。 けれど実際には、お供えは何を持っていけばいいのか数珠はどう持つのか線香やお水には決まりがあるのかと迷う方が少なくありません。 さらに最近は、和型墓・洋型墓・デザイン墓など、お墓の形が違うとお参りの仕方も変わるのかと気にされる方も増えています。

この記事では、真宗大谷派の考え方をふまえながら、お墓参りで迷いやすい作法と、お墓の形ごとの考え方に加え、今あるお墓の形に添って、どう手を合わせ、どう守っていくかという視点を、わかりやすく整理します。

お墓参りでいちばん大切なのは「形」より「敬う心」

お墓参りでは、細かな作法が気になるものです。 けれど本当に大切なのは、仏さまやご先祖さまを敬い、静かに手を合わせることです。

作法には意味があります。ですが、形だけに気を取られてしまうと、本来のお参りの心が見えにくくなることもあります。 「失礼にならないだろうか」と不安に思う気持ちそのものが、すでに大切なお心です。

お供えは何を選べばよい?

お墓参りで一般的なお供えには、次のようなものがあります。

  • お花
  • お線香
  • お菓子や果物

ここで大切なのは、お供え物はお参りのあとに持ち帰れるものを選ぶことです。 食べ物を墓前に置いたままにすると、傷みやすく、鳥や動物に荒らされる原因にもなります。

見た目の立派さよりも、丁寧な気持ちでお供えすることが何より大切です。

数珠の持ち方は完璧でなくても大丈夫

数珠は、仏さまの前で手を合わせるときに用います。 基本は、両手にかけて合掌する形ですが、長い数珠の「二輪念珠」と呼ばれるものは宗派によって大きく異なったりします。

例えば真言宗では両中指にかけてジャリジャリ鳴らすように持ったり、大谷派では両手にかけ房の根元が合掌した時に親指の付け根に来るように持ったり、、、

お坊さんたちはたとえお念誦の持ち方が間違ってても怒ったりなんてことはありません。真面目にお念珠を持っていらっしゃるんだな、、と思われるぐらいです。

細かな持ち方は宗派によって違いがあります。けれど、少し自信がないからといって、お参りそのものをためらう必要はありません。 数珠を丁寧に扱い、落ち着いて手を合わせれば、それで十分に敬意は伝わります。

真宗大谷派で線香を寝かせる理由

真宗大谷派では、お線香を立てずに寝かせる作法が一般的です。

普段ほかの場面で「線香は立てるもの」と見聞きしていると、違和感を覚えるかもしれません。ですが、これは間違いではなく、宗派ごとの大切な作法です。

周りと同じかどうかを気にするより、自分の宗派で受け継がれてきた意味を知ってお参りすることが、安心につながります。

ただし!

これはお寺とお仏壇に限る場合があり、お墓の線香のお供え方は「地域性」が非常に色濃く出ます。名古屋や関西圏は線香を立ててお供えする形のお墓になっているため、そもそも寝かせることができません。たまに間違えてお水を入れる場所にお線香を寝かせる方がいらっしゃいますが、砂などが引いていない限り石を焦がしてしまうので避けましょう。

お墓に関しては「お墓の形に添って」線香をお供えしましょう。

お水をお供えしない考え方もある

「お墓には水をお供えするもの」と思っている方は多いかもしれません。 しかし、真宗大谷派では、お水をお供えしない考え方があります。お花立の水がお水のお供えを意味してるという考え方もあります。

無理して湯呑などにお水を入れてお供えして次回来た時に落ちて割れていたということもあります。無理してお供えせずにお花に水を満たすことでも大丈夫だと思ってもよいと思います。

ここで知っておきたいのは、掃除のために水を使うことと、お供えとして水を置くことは別だということです。

墓石店としては何宗であってもしっかり頭から水をかけて掃除していただきたいです。

まずは墓石をきれいにするために水を使い、供養の意味としての水とは分けた方が良いでしょう。

お墓の形が違うと、お参りの仕方は変わる?

ここで気になるのが、お墓の形の違いです。 最近は昔ながらの和型墓だけでなく、横長ですっきりした洋型墓、自由な意匠を取り入れたデザイン墓も増えています。

結論から言えば、お墓の形が違っても、お参りの本質は変わりません。 大切なのは、どの形のお墓であっても、故人を偲び、仏さまを敬う心で手を合わせることです。 そして光徳石材として大切にしたいのは、形の違いを比べること以上に、今あるお墓の形に添って、無理なく、気持ちよくお参りできることです。

和型墓

昔ながらの縦長のお墓です。 「お墓らしい形」と感じる方が多く、代々のお墓との統一感を大切にしたい場合に選ばれます。

洋型墓

横に広がりがあり、文字も見やすく、やわらかな印象があります。 霊園の雰囲気やご家族の感覚に合いやすく、近年よく選ばれています。

デザイン墓

想いや個性を形にしやすいお墓です。 ただし、見た目だけで決めるのではなく、掃除のしやすさ将来の追加彫りのしやすさご家族が手を合わせやすい形か、名字の違う娘様も一緒に入るのかなど考えて選ぶことが大切です。

お墓選びでも大切なのは「お参りしやすさ」

お墓の形を考えるとき、見た目の好みはもちろん大切です。 ですが光徳石材では、それと同じくらい、これから先も気持ちよくお参りできるかを大切にしたいと考えています。

たとえば、次のような視点が役立ちます。

  • 掃除しやすい形か
  • お花やお線香を供えやすいか
  • ご高齢のご家族でも手を合わせやすい高さか
  • 代々守っていくうえで無理のない形か

お墓は建てた瞬間で終わるものではありません。 これから先の供養の時間を支える場所として考えると、形の選び方も変わってきます。

迷ったときは、作法も形もひとりで抱え込まない

お墓参りの作法も、お墓の形の選び方も、誰かに詳しく教わる機会は意外と少ないものです。 だからこそ、調べれば調べるほど迷ってしまうことがあります。

光徳石材では、墓石の建立やご相談だけでなく、お参りの作法供養の考え方お墓の形の選び方、そして今あるお墓の形に添った向き合い方についても、できるだけわかりやすくお伝えしています。 「この作法で大丈夫かな」「和型と洋型のどちらが合うだろう」「今のお墓にどう向き合えばいいだろう」と迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。

山田昌史

1級お墓ディレクター・真宗大谷派教師・建築石材アドバイザー・石材産業協会災害委員の私が書きました!

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