和型石塔は、日本の仏教文化に根ざした縦長の伝統的なお墓のスタイルです。位牌を模したその形は「位牌型」とも呼ばれ、竿石・上台・中台・下台・カロートが積み重なる構造が特徴。愛知県では「名古屋型」を標準として、地域ごとにバリエーションが生まれてきました。現代でも多くの家庭に選ばれ続ける、日本のお墓文化の根幹をなす形式です。

和型石塔とは

和型石塔(わがたせきとう)は、縦長の棹石(さおいし)を中心に複数の石材を積み重ねた、日本伝統のお墓の形式です。「昔ながらのお墓」「普通のお墓」というイメージで親しまれており、日本全国で広く普及しています。

位牌を模した形から「位牌型」とも呼ばれ、仏教の影響を強く受けた形状です。その名の通り、仏教式の埋葬・供養の作法に沿って設計されており、竿石に戒名・法名や家名を刻むことが一般的です。

和型石塔の主な特徴
  • 縦長の棹石が中心——視覚的に高さがあり、存在感がある
  • 地域ごとに「名古屋型」「岡崎型」などの名称がある
  • 経机・蓮華台・スリン台などの付属品で形状が変化する
  • 仏教的な意匠が豊富——蓮華彫りや家紋彫刻など
  • 国産・外国産の石材を選べるバリエーションの広さ

各部の名称と役割

和型石塔は上から順に、竿石・上台・中台・下台・カロートという構成になっています。それぞれが明確な役割を持ち、全体のバランスと機能性を支えています。

竿石(さおいし)

最も目立つ縦長の石。戒名・法名・家名などを刻む中心部分。高さと幅の比率が和型独自の美しさり生む。

上台(じょうだい)

竿石を支える台石。家紋や花模様を彫ることが多い。竿石とのバランスが全体の印象を左右する。

中台(ちゅうだい)

上台と下台の間に位置する台石。スリン(蓮台)を置く場合はこの部分に配置することが多い。

下台(しただい)

台石の最下部。墓石全体を安定させる基礎的な役割を担う。

カロート(納骨室)

ご遺骨を納める空間。地下に設けるタイプと地上に設けるタイプがある。地域によって納骨の方法が異なる。

地域別の形状・バリエーション

和型石塔は地域ごとに独自の「型」が発展しています。愛知県内だけでも名古屋型・岡崎型など複数の形状があり、関西では関西型が一般的です。また、神道系の家庭向けには神道型が用いられます。

種別名主な産地・地域特徴
名古屋型水垂(みずたれ) 愛知県・中部地方 水垂加工(台石の上面を斜ぁに削った仕上げ)が標準。経机香炉(DX型)が多く組み合わされる。最もベーシックな中部スタンダード。
岡崎型 愛知県岡崎市周辺 岡崎石材の産地に根ざした形状。台石の形状比率や加工が名古屋型と若干異なる。
関西型 大阪・京都・近畿地方 台石の段数や比率が中部と異なる。中部に比べ全体的にすっきりしたシルエットのものが多い。
神道型(しんとうがた) 全国(神道系) 頭部がとがった「兜巾形(ときんがた)」が特徴。香炉は置かない(神道では線香を用いない)。

付属品・オプションの種類

基本の名古屋型に付属品を加えることで、形状と名称が変化します。付属品の組み合わせによって価格・印象・メンテナンス性が変わるため、石材店と相談しながら選ぶことが重要です。

付属品別名・通称役割・特徴
経机香炉(DX型) 前板、経机 線香・花・供物を置く台。DX型は水垂加工を施した机状の石。現在ではほぼ標準装備。
蓮華台(れんげだい) スリン蓮華 竿石の下に置く蓮の花を模した台石。仏教的な意匠が強まり、格調ある印象になる。
スリン台 スリン 竿石と上台の間に挟む丸みを帯びた輪状の石。蓮華よりシンプルで、すっきりとした仕上がり。
花立て(はなたて) 花筒 花を供えるための筒状の石。素材・形状・取り付け方法にバリエーションがある。
水鉢(みずばち) 水受け 水を供えるためのくぼみ。前石に一体化させる場合と独立した石材を使う場合がある。
号数(ごうすう)について:竿石の幅(寸法)を「号数」で表します。一般的に1号=約3cm。例えば「8寸(はっすん)」は約24cmの竿石幅を指します。「8寸名古屋型水垂スリン付き」とは、竿石幅8寸の名古屋型で、水垂加工・スリン台つき、という意味になります。

石材の種類と選び方

和型石塔に使う石材は、国産・外国産合わせて多くの種類があります。色・耐久性・価格帯などが異なるた、、予算と好みに合わせて選ぶことが大切です。

石材名産地特徴
黒御影石(インド産黒御影など) インド・中国・南アフリカ 深みのある黒色。光沢が出やすく、文字が映えやすい。外国産は比較的リーズナブル。
白御影石(中国産白御影など) 中国・ベトナム・スウェーデン 明るく清潔感のある印象。コストパフォーマンスに優れ、広く普及している。
庵治石(あじいし) 香川県高松市庵治町 「石の芸術品」とも称される国産高級石材。独特の斑紋「動き(うごき)」が美しい。吸水率が低く耐久性に優れる。
本小松石(ほんこまつ) 神奈川県足柄下郡真鶴 独特の緑がかった模様が特徴の国産銘石。古くから多くの歴史的人物のお墓に使われた名声をもつ。
岡崎御影(おかざきみかげ) 愛知県岡崎市周辺 中部地方を代表する国産御影石。きぁ細かく上品な風合い。地元産ならではの安心感もある。

和型・洋型・デザイン型の違い

現代のお墓選びでは、昔ながらの和型のほかに、洋型・デザイン型という選択肢もあります。それぞれの特徴を把握した上で、家族の想いや霊園の規定に合わせて選びましょう。

和型石塔
  • 縦長で高さが出る
  • 伝統的な仏教的意匠
  • 地域の「型」がある
  • 付属品でカスタマイズ可
  • 根強い人気・安心感
洋型石塔
  • 横長で低め・スタイリッシュ
  • 洋風霊園にマッチしやすい
  • 正面が広く文字を多く刻める
  • 管理が比較的しやすい
  • 近年増加中
デザイン型
  • 個性・独自性を表現できる
  • 樹木葬・プレート型も含む
  • 規定のある霊園では制限あり
  • 故人の趣味・好みを反映
  • 価格帯が幅広い
霊園・墓地によっては和型のみ・洋型のみなど形状の制限がある場合があります。石材店・霊園管理者へ事前確認をお勧めします。

基本的な和型「名古屋型」

昔ながらの縦型のお墓を和型石塔といいます。位牌型・板碑型ともいわれますが、多くはその地方の名前がついた形になります。お墓というものは、納骨の方法などに地域性があらわれているためです。同じ愛知県内でも「名古屋型」「岡崎型」などがあります。

名古屋型和型石塔の正面写真。竿石・上台・中台・下台・経机香炉を備えた標準的な構成

加工・形状について

基本ベースの名古屋型に、付属品である「経机香炉(DX型)」や「蓮華台」「スリン台」がつくことにより、形状と名称が変化していきます。例えば「8寸名古屋型水垂スリン付き」などになります。最近では水垂と経机(DX型)が標準化している�(うです。石材の種類と加工の組み合わせは無数にあり、お客様のご希望に応じてご提案いたします。

水垂加工・スリン台・経机香炉DX型つきの名古屋型和型石塔。各付属品の位置が確認できる

神道型・供養塔について

和型と呼ばれるものは基本的には「仏教型」になります。神道(神社)のお墓は「神道型(しんとうがた)」と呼ばれ、一般的な名古屋型などとは若干形が異なります。神道型の特徴としては頭部がとがっていること、香炉がない(神道では線香を用いないため)などが挙げられます。

このほかにも日本には多彩な石造りの供養塔が存在します。「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」「五輪塔(ごりんとう)」「宝塔(ほうとう)」「層塔(そうとう)」「板碑(いたび)」「笠塔婆(かさとうば)」など、それぞれが独自の由来と造形美をもつ伝統的な形式です。当店では和型石塔のご注文はもちろん、これらの供養塔についてのご相談も承っております。


よくあるご質問

和型石塔と洋型石塔はどう違いますか?
和型石塔は縦長・仏教型の伝統的なお墓、洋型石塔は横長でよりモダンなデザインのお墓です。たとえば、最も身近な違いは高さと幅です。和型は縦に細長く(縦>横)、洋型は横に広く(横>縦)なります。どちらを選ぶかは、霊園の規定・ご家族の好み・石材の種類・ご予算などに応じて検討されると良いでしょう。当店ではご要望に応じて、両タイプのご提案・お見積もりをしております。
和型石塔は洋型石塔よりも費用が多くかかりますか?
一概には言えませんが、和型は石材の使用量が多い(縦方向に積み重なる)傾向があるた、、同じ石材を使った場合は洋型より高くなることもあります。ただし石材の種類・号数・付属品の有無・施工内容によって価格は大きく変わります。まずはご希望の形状や石種を教えていただき、お見積もりをご提案することが最も確実な方法です。
和型石塔の号数(サイズ)はどのように選べばよいですか?
号数(竿石の幅)は、区画の広さ・墓地の規定・ご家族の人数などによって変わります。目安としては3〜5段階(8寸・9寸・1尺など)の中から選ぶことが多く、霊園によっては使用できる号数の上限が決まっている場合もあります。どの号数が合うかは、区画の広さと施工内容を合わせて確認する必要があります。当店スタッフが現地確認のうえ最適なご提案をいたします。
「名古屋型」と和型石塔の関係を教えてもらえみ���か?
和型石塔は日本全国共通の「縦長のお墓」という大きなカテゴリーです。その中で愛知県・中部地方で標準的に使われている形状を「名古屋型」と呼びます。同様に、岡崎地方で発達したものが「岡崎型」、関西で一般的なものが「関西型」などと呼ばれています。つまり名古屋型は和型石塔の一種で、当地域における最も一般的な形といえます。
和型石塔の寿命にはどれくらいを想定して選べばよいですか?
適切なメンテナンスを行えば、国産御影石(吸水率の低い石)であれば100年以上使用できる事例もあります。ただし、使用する石材・設置環境・地域の気候条件によって耐久性は大きく変わります。吸水率の低い石ほど劣化しにくく、長期的なコストパフォーマンスに優れます。当店では石材の品質についても丁寧にご説明しながら、長くお使いいただけるお墓づくりをお手伝いします。
和型石塔に関するご相談・お見積もりは光徳石材にお任せください。和型石塔から洋型・デザイン型まで、各種供養塔の施工承りの実績があります。ご希望の形状や石種、ご予算をお気軽にお聞かせください。
【画像生成プロンプト案】 1. メインビジュアル(和型石塔の代表写真) Prompt: A tall traditional Japanese granite tombstone (wahata sekito) standing in a Japanese Buddhist cemetery garden. Finely carved dark grey granite, includes a tall central shaft (saoshi) inscribed with kanji, an upper base (jodai), middle base (chudai), lower base (shitadai), and an incense table (kyomizuko). Surrounded by stone lanterns and cedar trees. Soft afternoon light, photorealistic, vertical 3:4 format. 2. 付属品クローズアップ Prompt: Close-up of the lower section of a Japanese wahata stone grave, showing the water basin (mizuhachi), flower holders (hanatate), incense table (kyomizuko DX type), and lotus pedestal (renge-dai). Clean stone surface, natural daylight. 4:3 format. 3. 構造解説ダイアグラム Prompt: Clean architectural cross-section diagram of a traditional Japanese wahata stone tombstone, labeled in Japanese: 竿石 (saoshi – main shaft), 上台 (jodai – upper base), 中台 (chudai – middle base), 下台 (shitadai – lower base), カロート (karoto – crypt). Shows the stacking structure. White background, blue accent line style, educational museum illustration. 4. 名古屋型・岡崎型比較 Prompt: Two Japanese traditional stone grave monuments side by side on a white studio background. Left is Nagoya-style (nagoya-gata) with water drain edge (mizutare) and surin ring. Right is Okazaki-style (okazaki-gata) with slightly different proportions. Both in grey granite, neutral lighting, product comparison style, 16:9 wide format. 5. 石材種類比較(石見本) Prompt: Five polished granite samples arranged in a row on a white surface: jet black Indian granite, white Chinese granite, light grey Aji stone (庵治石) with fine cloudlike pattern, green-veined Honkomatsu stone (本小松石), and light beige Okazaki granite. Each labeled. Clean product photography, overhead view, 16:9 format.
名古屋の墓地と墓石の風景

お問い合わせ・ご相談

ご依頼及び業務内容などお気軽にお問い合わせください

訪問や繰り返しの電話営業などは一切行いません

※水曜定休日