葬祭業界の人に読んでほしい「葬送のフリーレン」
2021年宝島社「このまんががすごい」男の子編第2位
葬送のフリーレン
めっちゃいい漫画です!ぜひ読んでほしい漫画です。特に葬祭業の人には読んでほしい漫画です。
魔王も勇者も去った世界で終わりから始まる物語
上記の言葉は宝島社のこの漫画がすごいのコメントなのですが、ものすごくいいコメントだと思いますね。
若干のネタバレをしてしまうのですが、
一巻の表紙に出てる四人組は「魔王を倒した勇者一行」の四人組なんです。一番右側から、ドワーフの戦士「アイゼン」、人間の勇者「ヒンメル」、エルフの魔法使い「フリーレン」、人間の僧侶「ハイター」というパーティーで魔王を倒した後、凱旋するところから始まります。そしてわずか10数ぺーじで50年経ちます。
驚きなんですけど
第一話で勇者が亡くなります
大事なことなのでもう一回言います
第一話で勇者が亡くなります
びっくりです。勇者が主役じゃありません。この物語はエルフの魔法使い「フリーレン」が主役です。
この漫画はファンタジーの世界ですから、「エルフは非常に長生き」という設定があります。
そして
第二話で僧侶が亡くなります
大事なことなんですけど一回しかいいませんw
びっくりです。
つまり、人間である二人が早々に寿命を迎えるんですね。ただし第一話では勇者があっさり死ぬのですが、第二話では僧侶もその弟子も死を迎えることにあがく姿があります。
もうね、ここもすごいんですよね。そこに迷う姿があったり、別れに向き合う姿があったり、、、そしてずーっと第一話で死んだ勇者の若かりし頃(ともに冒険した時の思い出)が蘇ってきたり・・・
天国の話
また話が進むと、天国はあるのか?という疑問を投げかけてきます。それに対しても重くなくさらっと答えるのですが、本質をついてるのではないかと思いますね。その祈る姿もよいんですよね。
この物語がなぜ葬祭業(特に石屋)に読んでほしいかというと「残された側の物語」に焦点を当てていることですね。そしてずーっと何度も過去の旅の最中に話してた内容を、思い出すんですよね。そして中には偽物の思い出と対面したり、、、さすがファンタジーですね。
そして、世代交代のような新しい戦士を迎えたりして、物語がすすんでいきます。
そのうち、80年前に魔族を勇者たちが討伐したことを、毎年お祝いする村にたどり着きます。ここで村人が(80年は)人間にとって何かを忘れ去るには十分すぎる時間です。それでもこの日だけは皆、ヒンメル様達(勇者たち)を思い出すのです。
見ようによっては法事ですw
君が未来で一人ぼっちにならないようにするためかな
※以下ネタバレ注意
2巻で勇者であるヒンメル(勇者)が自分の像を作った時のフリーレンとの会話ですが、ここがすごい大好きなんです。
フリーレンの「ヒンメルってよく像作ってもらってるよね」という問いに、勇者であるヒンメルは
「みんなに覚えていてほしいからね。僕たちは君と違って長く生きるわけじゃないから
でも一番の理由は、
君が未来で一人ぼっちにならないようにするためかな。
おとぎ話じゃない。僕たちは確かに実在したんだ。」
ここがもう最高です。墓石屋として感動しました。
お墓を建てることの本質かもしれません。
世代交代や法事に似たような祭り、お墓のような銅像。形は現代の日本とは大きく異なりますが、中身は非常に似たようなものばかりです。
そしてそこには残されたものの想いが描かれています。
昨今終活という言葉がはやり、自分のお墓や自分のお葬式など「子供に迷惑をかけない」という流行がありますが、本来の葬儀・お墓・法事のように残された側の気持ちを振り返るために、ぜひ皆さん読んでみてください!
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