「墓相(ぼそう)」とは、お墓の形・向き・石種・配置などが、その家の運勢や子孫に影響を与えるという考え方です。古くから日本に伝わる風習のひとつで、特に伝統的な和型墓石を建てる際に気にされる方が多くいらっしゃいます。

墓相の特徴

墓相(吉相墓)には、一般的なお墓とは異なるいくつかの大きな特徴があります。形のひとつひとつに先祖供養の意味が込められており、お墓を建てる際の考え方そのものが異なります。

夫婦で一つのお墓(夫婦墓)

墓相では、一基の石塔に夫婦お二人を共にお祀りするのが基本です。棹石の右側に夫の戒名、左側に妻の戒名を刻み、夫婦の和を形で表します。一般的な「〇〇家之墓」として何世代もまとめて入るお墓とは異なり、夫婦単位で建てていくのが正しい先祖祀りとされています。

一般的なお墓より小型

墓相のお墓はコンパクトな石塔が基本です。これは「代々、子が親のためにお墓を建てる」という考え方によるもの。親が子や孫の分まで大きなお墓を建ててしまうのではなく、子が親のために建てられる規模にすることで、正しい先祖相続が代々続いていきます。

50年以上の先祖様を五輪塔・宝篋印塔へ

弔い上げ(三十三回忌や五十回忌)を過ぎた古いご先祖様は、個別の墓石ではなく五輪塔や宝篋印塔に戒名を刻んでまとめてお祀りします。「先祖の集合体」として複数世代をひとつに祀る形で、個別の墓石よりもより丁寧で格式のある供養とされています。

セメントを使わないハメ込み式

吉相墓では石塔をセメントや接着剤で固めず、凹凸のハメ込み(ホゾ)で組みます。これにより大地の気をそのまま受けることができるとされ、陰と陽の結合が財と子孫を生み出す象徴とも言われます。

方位・向き・石の状態

墓石の向き(南向き・東向きなど)、隣のお墓との位置関係、亀裂や傾きがないかなども墓相では重視されます。お墓が整った状態に保たれていることが、先祖を丁重に扱う心の表れとされています。

墓相には様々な流派・先生がいます

墓相の世界には多くの研究者・指導者がいて、それぞれに異なる考え方や流派があります。「この向きが良い」「この形は避けるべき」という内容も、先生によって異なる場合があります。どの先生の墓相を参考にされているかによって、アドバイスのの内容が変わることをあよかじめぐ承知おきください。

墓相学の先人としつ知られるのが、多田(中山)通幽尊師です。明治期に「陰徳積善こそが子孫の繁栄に繋がる」という教えとともに墓相学を深く研究し、全国でその普及に努めました。大正時代にはその教えを受け継えだ松崎整道師が近代墓相学の祖として広く知られるようになり、吉相墓の考え方を全国的に広めました。

光徳石材では墓相に関する個別のご相談も承っています。「こういう形は良くないと聞いた」「どちらの向きが良いか」など、お気軽にお問い合わせください。

墓相とはどんな考え方か

墓相は、人相や手相と同じように「形を見る」ことから生まれたと言われています。人の顔や手の形にその人の運勢が現れるように、お墓の形にもその家の行く末が映し出される——そうした考え方が、墓相の根本にあります。

お墓の形には、親を思う心、子を思う心、そして「家族が幸せであってほしい」という願いが込められています。先祖への感謝と子孫への祈りが、石の形としてカタチになったものが墓石とも言えます。墓相は、そうした想いを大切にしながらお墓を選ぶための、ひとつの拠り所です。

現代では科学的な根拠はないとされていますが、「先祖をきちんと供養したい」「家族を守りたい」という気持ちの表れとして、墓相を参考にしてお墓を選ばれる方は今も多くいらっしゃいます。

墓相の歴史

墓相の起源は、中国の「風水(ふうすい)」思想にあると言われています。風水とは、土地・方位・形などが人の運勢に影響するという考え方で、古代中国から伝わる自然哲学のひとつです。この思想が日本に渡り、お墓に特化した形として発展したものが「墓相」です。

日本では江戸時代頃から墓相の考え方が広まったとされています。寺院文化の発展とともにお墓が整備されるなかで、「どのような形のお墓を建てれば家が栄えるか」という関心が高まり、各地でさまざまな流派が生まれました。明治期には多田(中山)通幽尊師が墓相学を深く研究して全国に広め、大正期にはその教えを受けた松崎整道師が「近代墓相学の祖」として吉相墓の考え方を体系化・普及させました。

現代においても墓相への関心は根強く、「先生に相談してからお墓を建てたい」というお客様は今も多くいらっしゃいます。流派や先生によって考え方が異なるため、どの墓相を参考にされているかを事前にお聞かせいただくと、より的確なご提案が可能です。

墓相でよく言われること

形・デザインについて

  • 棹石(さおいし)が傾いていると良くないとされる
  • 角が欠けた石は避けるべきとされることがある
  • 石に亀裂・ひびがある場合は早めの補修を勧める説がある
  • 背が高すぎる・低すぎる墓石は避けるべきとする考えがある

向き・配置について

  • 南向きまたは東向きが良いとする説がある
  • 墓域の入口との位置関係を重視する考えもある
  • 隣のお墓との間隔にも意味があるとされることがある
  • 家紋・戒名の彫刻位置を気にされる方もいる

※ 上記は「墓相」という考え方の中でよく語られる事柄をご紹介したものです。光徳石材は特定の墓相説を推奨するものではありません。

よくあるご質問

墓相を気にして墓石を選ぶ必要がありますか?

必須ではありません。墓相はあくまで伝統的な考え方のひとつです。ただ、「先祖を大切にしたい」という気持ちから墓相を参考にされる方も多く、ご希望があれば一緒に考えながらご提案いたします。

棹石が傾いてきたのですが、墓相的に問題がありますか?

傾きは墓相以前に、構造上の問題(地盤沈下・基礎の劣化・地震の影響など)が原因であることがほとんどです。そのまま放置すると倒壊の危険もありますので、早めに補修・据え直しのご相談をされることをお勧めします。

和型のお墓にこだわるのは墓相のためですか?

墓相の影響で和型を選ばれる方もいますが、多くは「代々続く伝統を守りたい」「シンプルで落ち着いた見た目が好き」というご理由からです。墓相にこだわらず、ご家族の想いに合ったお墓をご提案します。

墓相に関することも含め、お墓のことならどんなことでも光徳石材にご相談ください。地域の風習や霊園のルールなども踏まえながら、最適なかたちをご提案いたします。

名古屋の墓地と墓石の風景

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