お墓に刻まれた蓮華の意味――浄土教から学ぶ、石のかたちに込められた願い

蓮華台イメージ
石材店に携わっていると、ふとした瞬間に「仏教とはなんだろう」と考えることがあります。
毎日石と向き合っているからこそ、その意味をちゃんと知っておきたい。そんな思いから、石材店同士で仏教の勉強会を続けています。
先日は、浄土真宗の聖典『真宗児童聖典』を一緒に読みました。難しそうに聞こえるかもしれませんが、読み進めるうちに「ああ、これはお墓のことだ」と思える場面がいくつも出てきて、とても面白かったです。今日は、その中から一つ、皆さんにもご紹介したいと思います。
お墓に刻まれた「蓮華」のこと
お墓をよく見ると、土台部分(芝台や上台)に蓮華台が設けられていることがあります。
「蓮の花=清らかさの象徴」というイメージはよく知られていますが、仏教的にはもう少し深い意味があります。
蓮華座というのは、仏さまが座る台のこと。阿弥陀さまも観音さまも、蓮の花の上にいらっしゃいます。つまり蓮華は、仏さまの「よりしろ」であり、お墓の蓮華台より上にあるものは仏さまの姿そのものを表しているんですね。
勉強会でこんな話が出ました。
「お墓の土台に設けられた蓮華台は、お墓が仏さまのお姿そのものであるということ。亡くなった方がその蓮華の上に生まれ変わる、という考え方が、お墓のデザインに蓮華が選ばれてきた理由のひとつではないか。」
お墓に蓮華を刻むのは、単なる飾りじゃない。故人があの世で仏さまのそばに生まれることを、石に込めて祈っているんだなぁと。
お墓は、仏さまに会いに行く場所
浄土真宗の教えでは、念仏を唱えた方は阿弥陀さまの願いによって浄土に生まれ、やがて仏さまになられると考えます。
だとすると、お墓の前に立つとき、私たちはただ「故人を思い出す」だけじゃなく、すでに仏さまのもとへ旅立たれた方に、仏さまへ向けるような気持ちで手を合わせていることになります。
お墓は「記念碑」「遺骨の保管場所」という意味もあると思います。
ただ、仏さまそのものとして手を合わせる場所という意味もあると思います。
そう思うと、お墓参りの時間がちょっと違って見えてきませんか。
私たち光徳石材がお墓づくりに大切にしていることも、実はここにあります。
石が、時代をつなぐ
仏教には「末法」という言葉があります。お釈迦様の教えが正しい方法で伝わりにくくなる時代、という意味です。鎌倉時代の人々はその時代に生きていると感じ、だからこそ法然や親鸞が「どんな人でも救われる」道を説きました。
現代も、お寺やお墓から遠ざかる方が増えていると言われます。
でも、石は残ります。
どんな時代でも、お墓は静かにそこにあって、手を合わせる場所であり続ける。そう思うと、石を扱う仕事の意味を改めて感じます。
蓮華の彫刻ひとつにも、先人たちの祈りが宿っている。それを知った上で石と向き合うことが、私たちの仕事の誠実さにつながると思っています。
おわりに
石材店の勉強会、と聞くと何やら難しそうですが(笑)、実際はわいわいと話しながら、教えの面白さに驚いたり、お墓との意外なつながりに「なるほど〜」となったりの、楽しい時間です。
お墓のデザインや彫刻について、「どんな文字にしようか」「どんな形がいいか」でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。

1級お墓ディレクター・真宗大谷派教師・建築石材アドバイザー・石材産業協会災害委員の私が書きました!

お問い合わせ
ご依頼及び業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください
※水曜定休日
