「子どもに負担をかけたくない」という優しさ

「うちの親、『お墓はいらない』『散骨でいいから』って言うんです

——最近、こういうご相談がぐっと増えました。親御さんは「子どもに負担をかけたくない」という優しさから言っているのは、きっと分かっているんですよね。でも、いざ自分が残される側になって考えると、「じゃあ実際、そのときどうすればいいの?」「本当に散骨でいいのかな」「あとで後悔しないかな」——そんなもやもやが、なかなか消えない。そういう方、本当に多いんです。

そのもやもや、すごく自然な気持ちだと思います。実は私(光徳石材の山田)は、石材店をやりながら、真宗大谷派のお坊さん(教師)でもあって、石屋とお寺の”狭間”にいるような立場なんです。だからこそ、こういう「親と子の、お墓をめぐるすれ違い」のご相談をたくさんお聞きしてきました。そして分かったことがあります。もやもやの正体は、たいていの場合「まだ、ちゃんと話し合えていない」こと。今日は、そのあたりを一緒に整理していきますね。

「負担をかけたくない」が、実は負担になっていることも

親御さんの「お墓はいらない、子どもに迷惑をかけたくない」という言葉。これは優しさそのものだと思います。ただ、正直にお伝えすると、“何も決めず・話し合わないまま”その一言だけが残ってしまうと、いざというときに残された家族が「結局、どうしたかったんだろう」と迷い、かえって悩んでしまうことが多いんです。

つまり「負担をかけたくない」という思いが、話し合わないことで、逆に「負担」になってしまう。これ、責める話ではまったくなくて、誰にでも起こりうることなんです。だからこそ、親御さんが元気なうちに、ほんの少し気持ちを聞いておくだけで、あとがずいぶん楽になります。「決めておく」というより、「気持ちを知っておく」だけでも十分なんですよ。

この想いを、一枚のポスターにしました

実は、いままでお話ししてきたようなことを、僕は一度SNSに投稿したことがあります。「『子どもに負担をかけたくない』という言葉が、話し合わないことで、かえって子どもに負担をかけてしまっているかもしれない」——そんな内容でした。すると、思っていた以上の反響があって、「言いたかったことを言語化してくれた」「親のあの言葉に、ずっともやもやしていた理由が分かった」という声を、たくさんいただいたんです。

なかには、「この言葉を読んで、涙が出ました」と伝えてくださった方もいました。きっと、同じ想いを長いあいだ、ひとりで抱えてこられたんだと思います。その反響が本当にうれしくて、「もっと多くのご家族が、話すきっかけを持てたら」という思いから、この想いを一枚のポスターにしました。「つなぎ手プロジェクト」と名づけています。

つなぎ手プロジェクトのポスター(親子でお墓のことを話し合うきっかけに)

お寺など、いろいろな場所に貼っていただいています。もしどこかで見かけたら、どうか「うちも一度、ちゃんと話してみようか」と思い出していただけたら、これほどうれしいことはありません。

まずは、親と”つながって”話してみる

とはいえ、「お墓どうするの?」といきなり切り出すのは、お互い重たいですよね。おすすめは、身構えずに話せる自然なタイミングを使うことです。

  • お盆やお彼岸、法事など、もともとご先祖様の話が出やすいとき
  • 「最近こういう記事を読んだんだけど」と、ニュースや読み物をきっかけにする
  • 結論を出させようとせず、「どうしてそう思うの?」と気持ちだけを聞く

大事なのは、その場で答えを決めないこと。親御さんがなぜ散骨でいいと思うのか」「なぜお墓はいらないと感じているのか」——その理由を聞けるだけで、もやもやの半分くらいは晴れることが多いんです。案外、「本当は寂しいけど、迷惑をかけたくないだけ」だったりもします。逆に、「昔から自然に還りたかった」という強い希望のこともあります。聞いてみないと、分からないものなんですよね。

家族だけで抱えなくていい。お寺や石材店に”つながって”ください

意外に思われるかもしれませんが、結論を出す前に、お寺や石材店に相談してもいいんです。むしろ、そのほうが選択肢がはっきり見えて、気持ちが楽になります。

菩提寺があるなら、まずはご住職に気持ちを話してみる。「離檀します」と身構える必要はなくて、「こんなことで悩んでいて」と打ち明けるだけで大丈夫です。そして石材店には、お墓を「持つ」「持たない」の両方を、中立の立場で整理してもらえます。僕自身はお坊さんでもあるので、宗教的な気持ちの部分と、現実的な費用や手間の部分、その両方を一度にお話しできるのが強みかなと思っています。

「石屋に相談したら、お墓を売りつけられそう」と身構えてしまう方もいらっしゃいますが、ご安心ください。僕らがいちばん大切にしているのは、ご家族が納得できる形にたどり着くこと。そのために、お墓を持たない選択肢も含めて、正直にご説明します。

「お墓を持たない」も含めて、選択肢はひとつじゃない

いまは、お骨との向き合い方が本当に多様になっています。代表的なものだけでも、これだけあります。

  • 永代供養・合祀……お寺や霊園が代わりに供養・管理してくれる形。後継者がいなくても選びやすいとされています。
  • 樹木葬・庭園墓……明るい環境で、永代供養が付いていることが多く、「墓じまいの心配がいらない」と人気です。
  • 散骨……お墓を持たない選択。「自然に還りたい」という希望に添う形です。
  • 手元供養……お骨の一部を小さな骨壺やペンダントで手元に残す方法。他の選択肢と組み合わせる方もいます。
  • 今のお墓を墓じまいして、別の形へ……すでにお墓がある場合の選択肢です。

おもしろいもので、「散骨でいい」と言っていた親御さんが、話してみたら「やっぱり、手を合わせられる場所は少し残したいかも」となることもありますし、その逆もあります。正解は、ご家族の数だけあるんです。だからこそ、いきなり決めてしまう前の”整理”の時間が、いちばん大切だと僕は思っています。

ひとりで抱えているなら、まず話しに来てください

「誰に相談したらいいのか分からない」——それで大丈夫です。むしろ、そういう方こそ来てほしいんです。難しい資料も、決意も要りません。「親がこう言っていて、もやもやしていて」——それだけで十分です。毎月21日には、覚王山・日泰寺の前で「終活なんでも相談会」も開いています。石屋とお坊さん、両方の顔を持つ僕が、一緒に考えます。

よくあるご質問

親はまだ元気なのに、お墓の話をするのは縁起でもない気がして切り出せません。

そのお気持ち、とてもよく分かります。ただ、元気なうちだからこそ、落ち着いて気持ちを聞けるという面もあるんです。「決める」ための話ではなく、「どう思っているか聞くだけ」と考えると、少し切り出しやすくなりますよ。無理に一度で結論を出さなくて大丈夫です。

親のこと、お墓のこと。ひとりで抱えないで。

「親がこう言っていて、もやもやしている」——その一言から大丈夫です。
石屋であり、お坊さんでもある山田が、一緒に考えます。無理な営業はいたしません。

お電話でのご相談:052-773-1480(受付 9:00〜17:00/火・水曜定休)
毎月21日は覚王山・日泰寺前で「終活なんでも相談会」を開いています。名古屋で60年、建てたあともずっとお付き合いする石材店です。

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