京都・下鴨神社の「みたらし祭(足つけ神事)」

高校3年生の息子と一緒に、京都・下鴨神社の「みたらし祭(足つけ神事)」へ行ってきました。

下鴨神社の朱色の大鳥居と参道

夏の強い日差しの下、朱色の大鳥居が空に向かってそびえていました。鳥居をくぐると、境内は大勢の参拝者でにぎわい、提灯や屋台が夏祭りらしい楽しい雰囲気をつくっています。神事の場ではありますが、静まり返った空気ではなく、家族や友人と笑顔で歩ける明るいお祭りでした。

世界遺産でもある下鴨神社(賀茂御祖神社)は、古くから京の守り神として親しまれてきた古社です。みたらし祭は、土用の丑の日前後に行われる夏の神事。御手洗池の清水に足を浸し、心身の穢れを祓い、一年の無病息災を祈ります。

今年(令和8年)は7月18日から30日までの13日間。大人は献灯料500円、中学生以下は志納で参加できます。小さな子ども連れだけでなく、高校3年生の息子も自然に楽しめるほど、年代を問わず参加しやすいお祭りでした。

楼門をくぐると、祭りのはじまり

提灯が並ぶ下鴨神社の楼門

境内へ進むと、白い提灯がびっしりと並ぶ楼門が現れます。青空に映える朱色の木組み、重なり合う軒の線。写真を撮る手が止まりました。

石材店としてこうした場所を歩くと、どうしても足元や周囲の石にも目が向きます。砂利の参道、石段、石橋、玉垣。派手に主張するわけではないのに、人の歩みを受け止め、場の輪郭をつくっている。石は、にぎわう境内で人の歩みと祈りを足元から支えている存在なのだと、改めて感じます。

足つけ神事——水に入り、灯を供える

御手洗池で足つけ神事に参加する人々

みたらし祭の中心は、末社・井上社(御手洗社)前の御手洗池で行われる「足つけ神事」です。

流れはシンプルです。

  1. 受付で献灯料を納める
  2. 靴と靴下を脱ぐ
  3. ろうそくを受け取る
  4. 御手洗池に入り、場所によっては膝の高さほどの水の中を進む
  5. 御手洗社へろうそくを献灯する
  6. 上がって御神水をいただく

池に足を入れた瞬間、ひんやりとした冷たさが一気に夏の熱を吸い取ります。水は思っていたより深く、場所によっては膝の高さほどまでありました。その意外な深さも含めて体験としておもしろく、高校3年生の息子も「冷たい」と言いながら楽しんでいました。小さな子ども向けという印象ではなく、高校生でも一緒に楽しめたことが、親としてうれしかったです。

そして、参加するときはタオルが必須です! 水から上がったあとに濡れた足を拭けるよう、忘れずに持参することをおすすめします。

御手洗川を進む参拝者と朱色の橋

川底には石が敷き詰められ、裸足で水の感触を確かめながら進みます。朱色の欄干、緑の木立、正面に見える社殿。あちこちから「冷たい」という声や笑い声が聞こえ、水の中を歩くこと自体が楽しい体験になっていました。

ろうそくを灯し、御手洗社へ供える。境内はにぎやかですが、その中に「祓い」と「祈り」という神事の芯があります。高校3年生の息子も、水の冷たさや思った以上の深さを楽しみながら、最後には自然にろうそくを供えて手を合わせていました。堅苦しく構えなくても、楽しさの延長に祈りの時間があるところが、みたらし祭の魅力だと感じます。

みたらし団子の発祥の地でもある

御手洗社は、みたらし団子発祥の地としても知られています。御手洗池の底から湧く水泡をかたどったのが、みたらし団子の形だといわれます。下鴨神社の「鴨の七不思議」のひとつにも数えられる、この水の気配。

祭りの期間中は、境内に屋台や茶屋の出店も並び、夏祭りらしい賑わいがあります。神事だからといって静けさに包まれているわけではなく、水に入る驚きや笑い声、人の楽しそうな表情があふれています。その明るさと祈りが一緒にあるからこそ、みたらし祭は「京の夏の風物詩」として長く親しまれているのだと思います。

石材店として感じたこと

みたらし祭を歩きながら、ずっと考えていたことがあります。

人は、なぜ「場所」を求めるのだろう、ということです。

水に足を浸ける。ろうそくを灯す。手を合わせる。その行為自体はシンプルです。けれど、それが神社という場所で、季節の巡りとともに行われるとき、個人の思いは「みんなで祈る時間」へと広がっていきます。

お墓も、同じだと思うのです。

お墓は、亡き方を遠くにしまっておくための設備ではありません。私たち光徳石材は、お墓を仏さまそのもの、仏像に近い礼拝の対象として受け止めています。同時に、お墓は家族や親族が集まり、それぞれの思いを抱えながら手を合わせる場所でもあります。

下鴨神社で見たのは、石段や石橋、石敷きの川底が、人の歩みと祈りを受け止めている光景でした。石は目立ちすぎません。けれど、そこにあることで、人が立ち止まり、並び、祈ることができる。

お墓もまた、石という素材を通して、「みんなが集まる場所」をつくります。季節ごとに足を運び、手を合わせ、去年とは少し違う思いを抱く。その繰り返しの中で、場所は場所らしくなっていくのだと思います。

高校3年生の息子も楽しめたこと

今回一緒に行ったのは、小さな子どもではなく高校3年生の息子です。親と出かけること自体が少しずつ減ってくる年頃ですが、みたらし祭では、靴を脱いで冷たい水に入り、場所によっては膝の高さまで浸かりながら進むという非日常の体験を、一緒に楽しむことができました。

いわゆる「子どもの目線」で神社を紹介する必要はありませんでした。高校生なりに水の冷たさや境内の賑わいを味わい、ろうそくを供えて手を合わせる。そんな姿を見られたことが、今回いちばん印象に残っています。

お墓参りも、幼い頃だけの家族行事ではありません。成長してからも一緒に足を運び、同じ場所で手を合わせる時間がある。その積み重ねが、家族にとっての大切な記憶になっていくのだと思います。

おわりに

下鴨神社のみたらし祭は、冷たい水と境内の賑わいを楽しみながら、自然に祈りへ向かえる祭りでした。

大鳥居をくぐり、楼門の提灯を見上げ、膝の高さほどまである御手洗池の水を進む。高校3年生の息子と並んで楽しんだその時間は、夏の思い出であると同時に、「人が集まり、祈りを重ねる場所」の力を感じる時間でもありました。

私たち光徳石材は、名古屋を拠点に、墓石の建立・修理・文字彫刻・クリーニング・墓じまいなど、石の仕事を通してご供養の心に寄り添うお手伝いをしています。お墓を、ただの石の構造物ではなく、ご家族が集まり、手を合わせ、思いを重ねていく大切な場所として考えています。

京都へお越しの際は、夏の下鴨神社もおすすめです。小さな子どもだけでなく、高校生や大人も楽しめます。膝の高さほどまである冷たい水に入り、境内の賑わいを味わう、いつもとは少し違う夏の体験に出会えます。


有限会社 光徳石材(こうとくせきざい)

名古屋で地域に根ざした石材店として、お墓づくりとご供養のご相談を承っています。

名古屋の墓地と墓石の風景

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