【黒いお墓は縁起が悪い?】石の色にまつわる噂の真相と、地域による「石の文化」の違い

お客様からお墓づくりのご相談を受ける中で、時折このようなご質問をいただくことがあります。

「親戚から『黒い石はお墓によくない』と言われたのですが、本当ですか?」

お墓に黒御影石を使うことについては、昔からさまざまな噂が囁かれてきました。「縁起が悪い」「お花に合わない」——そんな話を耳にして、せっかく気に入った石を選べずにいる方も少なくありません。

今回は、神奈川県川崎市で素晴らしいお墓づくりをされている吉澤石材店の吉澤さんが書かれたブログ記事を拝読し、非常に共感するとともに、私なりの「持論」をお話しします。

※本記事を書くにあたり、吉澤様ご本人にリンク掲載の許可をいただいております。ぜひ併せてご覧ください。
▶ (参考記事)吉澤石材店様ブログ:2026年8月9日の記事

「黒い石はダメ」と言い出したのは誰か?(私の持論)

ズバリ私の持論ですが、「黒い石はお花(仏花)に合わない」「お墓に黒は縁起が悪い」と言い出したのは、関西や四国地方の人だと考えています。

なぜそう言えるのか。それは、そもそも関西や四国の採石場では「黒い石」が出ないからです。

四国の庵治石(あじいし)や大島石(おおしまいし)、関西地方で採れる石の多くは、白やグレーを基調とした美しい御影石です。地元の山から黒い石が採れない以上、昔の関西・四国エリアには「黒いお墓」という文化そのものが存在しませんでした。

「親の財産を食いつぶす」という戒めと、東日本の豊かな石文化

地元で採れない「黒い石」をわざわざ遠方から運んでお墓を建てるとなれば、当時は途方もない労力と莫大な輸送費がかかりました。そのため、分不相応に遠方の石を取り寄せて奇をてらったお墓を建てることは、「親の財産を食いつぶす行為だ」と言われ、強く戒められていたのです。これが巡り巡って、「黒い石=良くないもの」という迷信に変わっていったのではないでしょうか。

一方、東日本・関東に目を向けると、全く異なる豊かな石文化が根付いています。

  • 本小松石(神奈川県産):箱根火山の恩恵を受けた緑灰色の銘石で、関東では古くから最高級墓石として重宝されてきた歴史があります。
  • 浮金石(福島県産):まるで金粉を散りばめたような美しい金斑が浮かび上がる、日本を代表する最高級の国産黒御影石です。

このように東日本では、黒御影石や濃色系の石材が昔から格式高いお墓として愛されてきました。そのため、関東の石屋さんたちが「黒いお墓は縁起が悪い」という噂を聞くと、「えっ? 何言ってるの?」と本気で首を傾げることになります。

日本の東西で、自然に採れる石と歴史的背景がまったく異なっていたのです。

「どんな石が自分のお墓に合うか迷っている」という方は、いつでも山田にご相談ください。押しつけはしませんので、お気軽にどうぞ。

噂の本質は「周りのお墓に合わせること」にあった

しかし、ここで面白い事実があります。「黒い石はダメだ」と否定的な意見を持つ人たちも、最後には必ずこう言うのです。

「周りのお墓に合わせて建てるのが一番大事だよ」

これこそが、この噂の核心を突いています。昔の関西や四国の墓地を見渡せば、白やグレーのお墓ばかりです。その中に、突然真っ黒なお墓がポンと建ったらどうでしょうか。周囲との調和が乱れ、非常に悪目立ちしてしまいます。

つまり、黒という色そのものが悪かったわけではなく、「周りから浮いてしまうようなお墓を建てるのは良くない」という、周囲との和を重んじる先人たちの教えだったのだと思います。

交通網の発達で変わる、現代のお墓事情

現在ではどうでしょうか。道路などの交通網や物流の能力が飛躍的に向上し、日本中・世界中からあらゆる色・種類の石をスムーズに運べるようになりました。

「地元の石しか使えない」「遠くの石は財産を食いつぶす」という、かつての物理的な理由はすでに当てはまりません。そのため現在では東西の垣根を越え、全国的にさまざまな石種のお墓が建てられるようになりました。関西や私たち名古屋エリアでも、黒御影石をはじめ、赤や緑、ピンクなど多様なカラーのお墓が当たり前のように選ばれています。

結論:お墓の石の色に「吉凶」はありません

お墓の石の色によって縁起が良い・悪いということは、決してありません。吉澤石材店様のブログでも触れられている通り、大切なのはご家族が納得して選ぶことです。

「霊園や周囲の雰囲気に合わせて白やグレーの石にする」のも素晴らしい選択ですし、「浮金石のような美しい黒御影石や、本小松石のような趣ある銘石で建てる」のもまた素晴らしい供養の形です。

私たち光徳石材は、名古屋という東西の文化が交差する土地柄を活かし、全国のさまざまな石の特性と地域の事情を踏まえた上で、お客様にとって最適なお墓づくりをご提案しています。

よくあるご質問

Q. 黒い御影石は汚れや水垢が目立ちやすいと聞きましたが?

確かに、黒い石は白い水垢やカルシウム汚れが視覚的に目立ちやすい面があります。ただし、これは黒い石に限らず濃色系の石全般の特性です。定期的なお手入れで十分対応できますので、石の色の選択に影響するほどの問題ではありません。

Q. 霊園によって使える石の色は決まっていますか?

霊園によっては「高さ制限、デザインの統一」が規定に含まれていることがあります。特に私営霊園ではデザインの統一を目的としたルールが設けられている場合もありますので、まず霊園の規約を確認することをおすすめします。ご不明な場合はお気軽にご相談ください。

Q. 石の色によってお墓の値段は大きく変わりますか?

石の種類・産地によって価格は大きく異なります。浮金石や本小松石のような国産銘石は希少価値が高く、同じ大きさでも外国産の石より高額になる場合があります。ご予算に合わせた石種のご提案もいたしますので、まずはご相談ください。

「この石で建てても大丈夫かな?」と迷われた際は、ぜひお気軽にご相談くださいね。訪問営業・しつこいお電話はいたしませんので、まずはLINEで一言いただけたら嬉しいです。

名古屋の墓地と墓石の風景

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