地割れの跡と、火を囲んだ一日 ― 三河地震ツアー(後編・蒲郡/岡崎)
日本石材産業協会 愛知県支部の見学ツアーの様子を、三回に分けてお伝えしてきました。前編は伝承碑、中編は深溝断層と本光寺。後編の今回は、最後の見学地である蒲郡の「地割れ」と、一日を締めくくった懇親会の様子をお届けします。
蒲郡「三河地震による地割れ」
この日めぐった三河地震の跡は、伝承碑、断層、被災したお寺と、少しずつ姿を変えてきました。最後にたずねたのは、蒲郡市に残る「地割れ」の跡です。

こちらも市の天然記念物として保存されていて、木の枠におさまった案内板が、当時の地表の動きをていねいに図解していました。案内図には、断層の位置や、実際の被害の記録写真、地割れが走った様子を示すハザードマップのようなものまで載っていて、会員みんなで見入ってしまいました。
同じ「三河地震の跡」でも、幸田の深溝断層が現地にくっきりと残る「線」だったのに対し、蒲郡ではまた少しちがった表情を見せてくれます。土地の成り立ちによって、地震の傷あとの残り方も変わるのですね。案内板の前で解説に耳をかたむけながら、一つの地震がこれほど多様な跡を残すのかと、あらためて驚かされました。
三河地震が、あらためて教えてくれたこと
一日を通して感じたのは、「石は、記憶を伝えるためにある」ということでした。
伝承碑は、二度とくり返さないための教訓を刻んでいました。断層は、大地が動いた事実をそのまま残していました。被災したお寺の石垣は、揺れの大きさを今に伝えていました。かたちはちがっても、どれもが「あのことを忘れないでほしい」という願いを、石という素材に託しているのです。
三河地震から、今年で八十年。これだけの時間がたっても、石はまだ静かに語り続けています。私たちがふだんお建てしているお墓もまた、何十年、何百年先へと家族の記憶を手渡していく石です。そのことの重みを、現場に立ってあらためて噛みしめました。
火を囲んで ― 懇親会・BBQ
たっぷり歩いて学んだあとは、岡崎の会場に移動して懇親会です。ここからは、うって変わってにぎやかな時間になりました。
焚き火を囲み、流しそうめんをすくい、BBQをつつきながら、その日に見てきたことをああでもないこうでもないと語り合いました。ふだんはそれぞれのお店で仕事をしている仲間ですが、こうして一日をともにして、火をかこんで話すと、自然と距離が近くなります。
昼間に真剣な顔で断層をのぞきこんでいた同じ顔ぶれが、夜には火を囲んで笑い合っている。その切り替わりも、こうしたツアーならではの楽しさでした。世代や地域のちがう石屋が一堂に会して、腹を割って話せる機会は、じつはそう多くありません。仕事の悩みや工夫を交換できる時間は、何より心強いものです。最後はみんなで集合写真。学びと交流、その両方がぎゅっとつまった、よいフィナーレになりました。

参加してみて
石材店として日々お墓に向き合っていると、つい目の前の一基一基のことで頭がいっぱいになります。けれど今回のツアーで、石が担ってきた「記憶を伝える」という大きな役割を、もう一度見つめ直すことができました。
私たちが刻む一文字、据える一基が、いつか誰かにとっての備えや祈りになるかもしれない。そんなことを思いながら、名古屋への帰り道につきました。三回にわたっておつきあいくださり、ありがとうございました。

お墓のこと、墓じまいや五輪塔のこと、「こんなこと聞いてもいいのかな」ということでも大丈夫です。光徳石材(名古屋市名東区つつじが丘)へ、どうぞお気軽にお声がけくださいね。訪問営業やしつこいお電話はしておりません。
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