京都・渉成園の石垣に見た「石を生かす」知恵|名古屋の石屋の見学記
先日、夫婦で京都の東本願寺へ行ってきました。お目当ては、東本願寺の飛び地の境内にある庭園「渉成園(しょうせいえん)」です。秋の夜の特別な催しで、庭がやわらかい灯りに照らされていました。
渉成園は国の名勝に指定されている庭園です。まわりにカラタチ(枳殻)が植えられていたことから、「枳殻邸(きこくてい)」とも呼ばれています。

夫婦で、夜の渉成園へ
書院の障子からこぼれる灯り。池に映る紅葉。夫婦で「きれいだね」と言いながら、ゆっくり歩きました。

でも、石屋の私がいちばん長く足を止めたのは、入口の近くにある石垣の前でした。
渉成園の高石垣は「焼け残った石」でできている
この石垣は「高石垣(たかいしがき)」と呼ばれています。幕末の1858年と1864年、渉成園は2度の火事で建物を失いました。そのあと、園内に残った石や瓦を集めて積んだのが、この石垣だそうです。熱で色が変わったり、ゆがんだりした石も多いといわれています。

四角く切った石。自然のままの丸みのある石。長い板のような石。大きさも形もばらばらの石が、ひとつの壁にきちんと収まっています。
捨てれば、ただのがれき。それを集めて、もう一度かたちにした。
そこに、昔の人の「石を大切にする気持ち」を感じました。
石屋の目で見た「挽き臼」と「斜めの板石」
特に面白かったのが、壁の中にはめこまれた丸い石です。
表面に線が入っていて、中心ではないところに穴があいています。この2つから、挽き臼(ひきうす)の上の石だとわかります。
粉をひく道具として毎日使われていた臼が、今は庭の石垣の一部になっている。石の第二の人生です。
もうひとつ目を引いたのが、長い板石を斜めに入れているところ。きっちり水平に積むだけでは出せない動きがあって、見ていて飽きません。石屋の目で見ても、遊び心にあふれた石垣でした。こういう見せ方を、もっといろいろな場所で見てみたいと思います。
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古い石は、新しいかたちで生き続ける
光徳石材でも、古い石を生かすお仕事をしています。
たとえば「あいごりんとう」は、五輪塔を再加工して、新しいかたちで受け継いでいただくものです。古いお墓のリフォームや修理のご相談もお受けしています。
思い出のある石を、次の世代へ。渉成園の石垣を見て、その仕事の意味をあらためて感じました。
これからお墓を建てる方へ:石は人の一生より長く残るもの
渉成園の石は、火事をくぐり抜けて、160年以上たった今もそこにあります。
石は、人の一生よりずっと長く残る素材です。
だからこそ、新しくお墓を建てるときは、見た目だけでなく、石の種類や組み方、見えない基礎までていねいに考えたいところです。光徳石材では、土地に合わせて鉄筋を組んだ基礎や、耐震ボンドと免震シリコン「絆」を使った施工で、長く安心してお参りできるお墓づくりを心がけています。
石の選び方は「石の種類によって何が違いますか?」で、お墓づくりの進め方は「お墓を建てるには何から決める?名古屋の石屋が教える5つの順番」でご紹介しています。石屋の見学記は横浜・関帝廟の「石の細工」もどうぞ。
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